ボルトテンショナー

軸力制御による太径ボルト締付け装置。

軽視できない締付け管理

ボルト・ナットは、形状が一見単純で使用が簡便なため、締付け管理は他の技術上の問題と比べて軽視される傾向があります。
しかし、一般的にボルトやスタッドを所定の力以上で締付けると疲労破壊を生じ、逆に締付け力が所定値に達しないと緩みを生じて、これが事故原因の一つにもなりかねません。特に、複数のボル卜を同時に締付ける場合の軸力管理は重要です。

太径ほど重要な適正締付け

従来、トルク制御による締付け管理が多く見られますが、ボルトが太くなるほど、面の摩擦、ねじ山の変形、異物の存在等の抵抗により、時として卜ルク値の損失が大きく、一定のトルク値で締付けても所定の軸力に達しない場合があります。

肝心なのはトルクでなく軸力

ボルト・ナッ卜による締付けでは、金属の特性を利用できるので、張力即ち軸力を加えて締付ければ、面の摩擦、ねじ山の変形、異物の存在に影響されることなく、設計上の所定の軸力で締付けることができます。

ボルトテンショナーの締付けシステムは軸力制御

テンショナーのシステムは、ボルトに所定の軸力即ち張力を加える特殊な油圧機構で構成され、ボルトが一定量伸びた状態でナッ卜を締付けたのち張力を解放することにより締付けます。

ボルトテンショナーの締付けシステムの特長

■複数のボルトを同時かつ均等に締付け可能。
■必要とする軸力を容易に制御可能。
■小型、軽量、高出力。
■使用箇所への持ち運びおよび着脱が簡単。
■故障が少く、メンテナンスが簡単。

ボルトテンショナーの締付けシステムの構成

テンショナーのシステムは、次の要素で構成されます。

(1)ボルトテンショナ一(ジャッキングツール)
(2)油圧ポンプ(空圧作動式)
(3)油圧ホース(コネクターを含む)

なお、複数のボル卜を均等に締付けるには、少くとも4台以上のテンショナーを同時に使用することが必要です。

ボルトテンショナーの締付けシステムの基本構成

取扱説明書をよく読んで、注意事項を守ってご使用ください。

PAGE TOP

ボルトテンショナー

ボルトテンショナーは、ボル卜のねじ寸法、所要軸力、ボルトの本数、使用箇所の寸法条件に応じて、テンショナーを選定します。
なお、ナッ卜上面からのボルト有効長は、ねじ径以上必要です:右図
※本体油圧部全高=E＋8mm

A：本体油圧部外径
B：ブリッジ背面奥行
C：作業域最小高さ
D：ブリッジ高さ
E：本体油圧部高さ※
F：ピッチサークルダイヤ
(P.C.D.)
G：トミーバー穴径

型番	メトリック		インペリアル		最大軸力		受圧面積		ピストン変位量 mm	重量 kg	寸法 mm
型番	ねじ径	品番	ねじ径	品番	kN	ton	mm²	in²	ピストン変位量 mm	重量 kg	A	B	C	D	E	F	G
1	M16	1CTST:0016	-	-	228	23	1,516	2.35	10	3.5	74	24	136	28	37	49	6
	M18	1CTST:0018	3/4	1CTST:0750								24	140	32		49
	M20	1CTST:0020	-	-								27	140	32		51
	M22	1CTST:0022	7/8	1CTST・0875						3.0		27	143	35		51
	M24	1CTST:0024	1	1CTST:1000								30	146	38		60
	M27	1CTST:0027	1 1/8	1CTST:1125								32	149	41		60
2	M30	2CTST:0030	-	-	443	45	2,955	4.58	15	5.0	102	30	182	47	46	72	8
	M33	2CTST:0033	1 1/4	2CTST:1250								34	187	52		74
	M36	2CTST:0036	1 3/8	2CTST:1375								36	188	53		76
	M39	2CTST:0039	1 1/2	2CTST:1500								38	191	56		80
3	M39	3CTST:0039	1 1/2	3CTST:1500	811	81	5,406	8.38	15	9.0	133	42	202	56	48	88	8
	M42	3CTST:0042	1 5/8	3CTST:1625								42	205	59		90	10
	M45	3CTST:0045	1 3/4	3CTST:1750								44	208	62		94
	M48	3CTST:0048	1 7/8	3CTST:1875								46	211	65		100
	M52	3CTST:0052	2	3CTST:2000								48	215	69		104
4	M48	4CTST:0048	1 7/8	4CTST:1875	1,273	128	8,490	13.16	15	15.0	163	50	218	65	48	110	10
	M52	4CTST:0052	2	4CTST:2000								52	222	69		112	10
	M56	4CTST:0056	2 1/4	4CTST:2250								54	228	75		118	12
	M60	4CTST:0060	-	-								54	230	77		126
	M64	4CTST:0064	2 1/2	4CTST:2500								58	234	81		126
5	M64	5CTST:0064	2 1/2	5CTST:2500	1,830	184	12,194	18.90	15	25.0	193	64	245	81	52	136	12
	M68	5CTST:0068	-	-								72	249	85		144
	M72	5CTST:0072	2 3/4	5CTST:2750								72	253	89		146
	M76	5CTST:0076	3	5CTST:3000								74	258	94		154	14
6	M76	6CTST:0076	3	6CTST:3000	2,646	266	17,645	27.35	15	44.0	233	76	273	94	56	162	14
	M80	6CTST:0080	-	-								76	276	97		162
	M85	6CTST:0085	3 1/4	6CTST:3250								78	281	102		174
	M90	6CTST:0090	3 1/2	6CTST:3500								78	286	107		185
	M95	6CTST:0095	3 3/4	6CTST:3750						40.5		99	292	113		200
	M100	6CTST:0100	4	6CTST:4000						40.5		105	298	119		212	16

1.1,500 bar {21,750psi}以上に絶対に加圧しないでください。
2.取扱説明書をよく読んで、注意事項を守ってご使用ください。

PAGE TOP

油圧ポンプ

エアー作動

仕様	SC-10-500-25型
使用空気圧	343～686kPa{3.5～7.0kgf/cm²)
最大出力	1,500bar{1,530kgf/cm²}
オイルタンク容量	9ℓ
概略寸法	幅381、奥行394、高さ438(mm)
重量	35kg

補助工具

側面に穴がないナッ卜を回す場合は、下図のナットソケットをナッ卜にかぶせ、卜ミーバーを穴に差し込んで回します。

PAGE TOP

使用例

使用条件

ボルトテンショナーをご使用の際は、下記条件をお知らせください。

(1)ボルトのねじ径およびピッチ
(2)締付軸力
(3)ボルトの本数
(4)フランジのピッチ径(フランジ締付の場合のみ)

ボルト締付け仕様の記入用紙を用意しておりますのでご請求ください。